【新函館北斗駅】大きなガラスを通して駅前広場や、遠く函館山までを望める駅舎2階。白い柱はトラピスト修道院のポプラ並木をイメージし、天井には道南スギを使用した

【新函館北斗駅】道南スギが張られた天井の高さは7.5メートル。大小の円で形作られた重厚感あるデザインの照明は、天上までの空間が開きすぎないようにする効果も狙った

【新函館北斗駅】新幹線ホームを見下ろす2階待合室の窓(中央)。地面とほぼ同じ高さに新幹線ホームがある駅は全国的にも珍しい。待合室と反対側にある、無料通行できる自由通路の窓からも新幹線車両を眼下に望める

【新函館北斗駅】黒い外壁と白いY字形の「樹林フレーム」が美しいコントラストをなし、モダンな雰囲気を醸し出す新函館北斗駅の外観

【木古内駅】壁面に不等間隔で垂直に配置された縦長の窓は、寄せては返す浜辺の波をイメージした。駅前には今後、ロータリーが建設される予定だ

【木古内駅】出入り口からコンコースにかけ、道南スギを用いたフレーム構成の天井が続く。木古内町の公式キャラクター「キーコ」(左)、道の新幹線PRキャラ「どこでもユキちゃん」が見学客をお出迎え

【木古内駅】新函館北斗では地上とほぼ同じ高さだったレールは、木古内駅では地上8.9メートルの高さに。高速の新幹線が入線するホームには可動式の柵を設け、乗客らの安全を確保する

【奥津軽いまべつ駅】高低差のある駅入り口とコンコースの連絡手段となる4階建て昇降棟が最大の特徴。アーチ形の壁面ガラスは青函トンネルをイメージした

【奥津軽いまべつ駅】奥津軽いまべつ駅の玄関口である昇降棟。最上階の4階の窓からは、新幹線の駅に似つかわしくないのどかな田園風景を望める 

【奥津軽いまべつ駅】高さ25メートルの昇降棟を上って、連絡通路を通り、改札口(右側)前のコンコースへ。左側の壁面の装飾には青森県産のヒバ材が使われている

 来年3月に開業する北海道新幹線の新函館北斗(北斗市)、木古内(渡島管内木古内町)、奥津軽いまべつ(青森県今別町)の新設3駅がほぼ完成し、今月上旬に相次いで市民対象の見学会が開かれた。この機会に、新しい駅舎の内部を開業よりも一足早く写真で紹介する。

 新たに開設される北海道新幹線の三つの駅舎は、いずれも地元の声を生かしてデザインされ、「地域の新しい象徴に」との願いを込めて、地場産木材を使っているのが特徴だ。

 始発・終着駅の新函館北斗駅は、建物の中からでも窓越しに北斗市の四季を感じられる設計だ。壁面をガラス張りにし、2階からは遠く函館山を望むこともできる。コンコースやホームの白い柱は、市内の観光名所、トラピスト修道院のポプラ並木をモチーフに「樹林フレーム」と命名され、まるで天井に向かって枝が伸びているかのようだ。

 木古内駅は、壁面に並ぶ縦長の窓の間隔をあえて不規則に配置し、波が寄せては返す津軽海峡の浜辺などをイメージした。

 奥津軽いまべつ駅は、駅前広場と新幹線ホームの高低差を補う高さ約25メートルの昇降棟の壁面に、青函トンネルを意識して弧を描くゲート風ガラスを配置した。

 新幹線駅舎が「地元らしさ」を取り入れるようになったのは最近のことだ。きっかけの一つが、1997年の北陸新幹線先行開業(東京―長野間)時に建て替えられた長野駅。先代駅舎は国宝・善光寺を意識した構造を持つ「仏閣形」として親しまれていただけに、建て替え後のモダンな駅舎は「風情が乏しい」とかえって市民の批判を浴びた。今年3月の北陸新幹線の金沢延伸に合わせた増築で、門前町を意識した外観に改められた。

 近年開業した九州新幹線や東北新幹線の駅は、北海道新幹線同様に住民の声を反映させ、新青森駅は、駅構内の天井の装飾に青森ヒバを使った。北陸新幹線も金沢延伸で開業した7駅すべてに個別テーマを設け、地域の風景や名物をデザインに取り入れた。(函館報道部 文・星野真、写真・国政崇、岩崎勝)