▽第30節 札幌 1―1 熊本 (8月23日、うまかな・よかなスタジアム)

 やっと入った5試合ぶりのゴール。7月22日の北九州戦で内村がゴールしてから1カ月間も得点がなかった。

 これが格上との対戦ばかりとなるJ1での話だったら分かるのだが、プレーオフ進出を目指すJ2、しかも第4コーナーに差し掛かる状況でのこと。残り12試合でプレーオフ圏の6位愛媛との勝ち点差は9。プレーオフ圏内に入り込むのは、かなり厳しい展開と言わざるを得ない。

 四方田(よもだ)監督が就任してからゴールがなかったのだが、情けない状況を断ち切ったのは意外にも前貴之だった。「意外」というのは前に失礼だが、その理由はふたつある。

 ひとつは前がFWではなく中盤での起用で、どちらかというと守備的な役割を担っている選手であるということ。そしてもうひとつは、左サイドの古田からのクロスボールを反対の右サイドの前が決めたということである。

 ふつう両翼の選手が同時に前線に駆け上がることは、ボールを失った時のことを考えるとリスクが大きい。どちらかが守備のことを考えて後ろに残るものである。

 しかし、ここのところ無得点が続いていたので、ゴール前に人数をかけなければならないという意識と、下部組織からつながりのある四方田監督のために―という思いが前を動かしたのだろう。

 しかも、前は身長172センチと背が高くないのにゴールはジャンプヘッドだった。前はすべてのポジション、プレーをそつなくこなすサッカーセンスが持ち味だが、この得点場面ではよく枠へ持っていったと思う。

 またしても決定機を外しまくったナザリトと内村は、肩身が狭いことだろう。ゴールは見事だった前だが、採点がCと普通なのは、終盤に集中が切れてミスパスが多くプレーの精度が落ちたからだ。得点だけでOKなFWではないので…。

 札幌は、今週末の天皇杯の札大戦は出場機会の少ない選手で戦うだろうが、ナザリトはプレーさせた方がいいんじゃない?(平川弘=サッカー解説者、元日本代表)

熊本戦
選手名 出場 評価 ひとこと
GK
金山隼樹 パンチして
DF
櫛引一紀 守備安定もパス悪
河合竜二 清武と肉弾戦
福森晃斗 巻の失点は仕方ないが…
MF
前貴之 得点も後半集中力欠く
宮沢裕樹 ニアに突っ込んだが
上里一将 ボールロスト多し
古田寛幸 前へピンポイント
上原慎也 積極性、キレ戻る
菊岡拓朗 裏つくパスで攻撃起点
小野伸二 光るパスは3回
FW
ナザリト 動き○も決めないと
稲本潤一 奪ったがパス悪
内村圭宏 動き○も決めないと

※出場は◎フル出場▽先発途中交代▲途中出場
 評価はA大変良いB良いC普通D悪い、―は採点不可