10日の巨人戦で活躍。ヒーローインタビューを受ける大田選手

 楽天との初戦(23日)を良い形で勝利したものの、土日と2連敗。特に日曜(25日)の試合は、らしくないゲームでした。7月のオールスターまでにファイターズらしい野球を取り戻し、順位を上げてほしいものです。

 そうした中、今月は移籍してきた選手の活躍が目を引く試合が多かったと思います。特に大田泰示選手が古巣ジャイアンツを相手にした時の打撃は、ファンを喜ばせてくれました。10日の試合では、移籍後初の猛打賞で、連敗を6で止めることに貢献しました。

 「高校時代から大田泰示という選手を見てきた。持っているものの大きさはこんなものではない」。栗山監督の入団時会見の言葉です。大田選手も隣で聞いていて意気に感じたことでしょう。「このチームのために自分が必死になって恩返しをしていきたい」と語る大田選手の目は輝いていました。

 10日のヒーローインタビュー。「ファイターズ最高!」は封印し、「いろいろ諸事情があり、今日は勘弁してください」とコメントしている大田選手を見て、さすが!と感じたのは私だけではないと思います。

 逆の立場から見れば容易に理解できると思います。もし巨人に移籍した陽岱鋼選手が、ヒーローインタビューで「サンキューでーす」ならぬ「ジャイアンツ、サイコーでーす」とコメントしたらどうでしょうか。

 「打って反省、打たれて感謝」。これは剣道で使われている言葉です。根底には戦う相手に対する敬意があり、対戦する相手がいてくれるからこそ、自分の力を出し切り、今の実力を知ることができるという考えかと思います。

 世の中、エンターテインメント一色で、楽しければ、面白ければ、盛り上がればいいという風潮があります。しかし、スポーツマンシップという言葉もあるように、プロ野球にも大切にしなければいけない精神や哲学があるはずです。

 8年間プレーし、「人間として成長できた」という古巣のチームメートやファンを前に、礼儀を重んじた大田選手を誇らしく思います。

 プレーする側はもちろんですが、見る側、支える側にも、そうした良識が求められている。そんな気がしています。大田選手がファイターズファンと同じく、古巣ファンからもずっと応援される選手でいてほしいと思います。(私設応援組織「日本ハムファイターズ応援作戦会議」代表)