質問 23歳の娘が、これまで大学の飲み会で6回のうち2度、まぶたが開けていられず、顔面蒼白(そうはく)になりました。気持ちも悪くなって、視野が暗くなり、大量の冷や汗も出て、座っていられなくなったそうです。横になると回復しましたが、直後にひどい腹痛で下痢をしました。どのような病状なのでしょうか。4月から社会人なので、飲酒の機会も増えるので心配です。

 回答 質問者の症状は、飲酒によって血圧が下がり、脳に送られる血液が減って起こる脳貧血によるものと考えられます。お酒(アルコール)を飲むと、アルコールが分解される時にできるアセトアルデヒドという物質により血圧が下がるといわれています。顔が赤くなるのもこの物質によると考えられています。そのためアルコールによる脳貧血は、お酒に弱い人がなりやすいようです。

 急性アルコール中毒なども考えられますが、飲酒量もさほど多くないようですし、脳貧血の方がより強く疑われます。

 脳貧血は、赤血球のヘモグロビンが減る貧血とは違って、低血圧の一種です。急に立ち上がったときによく起こるため、立ちくらみや起立性低血圧と呼ばれることもあります。倒れた場所が悪ければ、転んでケガをすることもありますので注意が必要です。

 予防法としては、アルコールを少しずつ飲むことです。一気飲みは、急性アルコール中毒にもつながる危険な飲み方です。また、アルコールと同量の水をこまめに飲むと予防に効果があります。

 急に立ち上がると脳貧血を起こしやすくなりますので、頭を下げてゆっくりと立ち上がりましょう。血液は重力の関係で下半身にたまりやすいので、飲酒時にはふくらはぎをマッサージすることでも脳貧血の予防になると言われています。

 ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、血液を心臓に戻す重要な働きをしています。普段からウオーキングなどでふくらはぎの筋肉をきたえておくことも大切です。

(道医療大病院・辻昌宏院長=札幌市北区)