質問 47歳女性。数年来、仕事中の頭痛に悩まされています。最初は頭全体が重くなり、次第に側頭部、目の周囲や奥などに痛みが集中します。パソコンを使ったデスクワークが多いため、脳神経外科では首や背中などが緊張するのが原因ではないかと言われました。市販の痛み止めを服用していますが、薬に頼りたくない気持ちもあるので、治療法があれば教えてください。

 回答 デスクワーク、とりわけパソコンの画面を長時間見ることで起こる頭痛は脳神経外科の外来でも比較的多い訴えです。夏になってエアコンを使用する環境では冷風のためか、一層ひどくなることが多いと言えます。

 このような頭痛のほとんどは筋緊張性頭痛とされ、頭を支える首の筋肉の強い緊張により起きると言われています。頭全体、時には後頸部(けいぶ)が重苦しく締め付けられるような鈍痛ですが、程度がひどくなると吐き気を伴うことがあり、くも膜下出血疑いで救急車で来院されることすらあります。

 原因は長時間の不自然な姿勢、あるいは精神的なストレスが指摘されています。頭の重さは成人で5~6キロあり、結構重たいものです。変に前かがみの姿勢になると特に後頸部の筋肉にはとても負担がかかります。パソコンなどの仕事をする際は、途中でストレッチをする、首元を冷やさない、などの配慮が必要です。

 またこのような頭痛が慢性的に起こる人は普段、運動をしていないことが多いと思います。スポーツマンには肩こりや筋緊張性頭痛になる人は少ないです。

 このタイプの頭痛は通常の痛み止めは効果がないことが多く、いたずらに多量に使用すると胃腸の炎症、潰瘍などの原因となるので、注意が必要です。服用するのであれば筋肉の緊張を和らげる薬や抗不安薬、そして肩や首に貼る湿布を処方する程度です。

 気をつけねばならないのは年齢とともに増える頸椎(けいつい)症で、肩こりが原因で発症することもあります。手足のしびれがあったり、手足の力が入りづらいことがあれば脊椎脊髄を診察する病院を受診し、磁気共鳴画像装置(MRI)で頸椎、頸髄(けいずい)に異常がないかチェックしてもらうとよいでしょう。

(札幌麻生脳神経外科病院院長・飛騨一利さん=札幌市東区)