<質問> 高校1年生の息子です。特に暑さが厳しくなくても手のひらや足の裏、頭やわきに異常なほどの汗をかきます。しずくになってしたたり落ちるほどで、本や書類を持つとぐしょぐしょになってしまいます。本人は人付き合いでも気にして悩んでいるようです。治す方法はないでしょうか。また他の病気が隠れていることはないでしょうか。

 <回答> 糖尿病、甲状腺の病気などで全身の汗が多くなることがありますが、息子さんの場合は原発性局所多汗症が疑われます。

 これは通常、暑いときより緊張したときなどに主に手のひら、足の裏、顔などから多量の発汗があり、日常生活に支障をきたす病気で、人口の3~5%にみられるとも言われます。

 自律神経のうちの交感神経が過度に反応して起こる症状で、特に手に多量の汗が出ると、試験で答案用紙が破れる、紙幣を扱えない、握手できないという状況が生じてしまい、深刻に悩んでいる方も少なくありません。

 塗り薬や内服薬などで症状が軽くなる場合もありますが、重症の場合、手術も治療の選択肢の一つになります。左右の脇の下で肋骨(ろっこつ)の間に6~7ミリ切開し、内視鏡(カメラ)を入れて、背骨近くにある交感神経を切断する手術です。神経が切断されれば、手術直後から手が温かくなり、汗が止まります。保険がきく治療で当科では通常2泊3日の入院で行います。

 ただし、ほとんどの場合、手術後に腹部、背中、下半身の発汗が増える「代償性発汗」が起こります。その程度には個人差があり、気にならないという人から、まれに代償性発汗が新たな悩みとなる人もいます。代償性発汗がなるべく少なくなるよう手術方法が検討されてきました。最近では「代償性発汗はあるが、手の汗に比べると我慢できる」という人が大半を占めます。

 塗り薬、内服薬、手術などの治療については一度お近くのペインクリニック、皮膚科でご相談ください。(NTT東日本札幌病院麻酔科ペインクリニック・御村光子さん=札幌市中央区)