苫小牧の繁華街・錦町。一本路地に入った所に「味どころ海辺」はある。大将の鳴海充(なるみみつる)さん(48)は、18歳から10年間、札幌の和食店で修業。その後、故郷の苫小牧に戻り、両親の店を継いだ。この地に移転して3年。毎日多くの地元客でにぎわう繁盛店になった。

 苫小牧といえば、ホッキは外せない。早速、大ぶりでずっしり重い地元産を「柳川風」で注文した。ホッキのヒモで取っただしと道産ゴボウの滋味が体に染み渡る。ゴロゴロ入ったホッキは後載せで、ふっくらとやわらかい。

 「お刺身盛合せ」は、どれもとびきり新鮮で苫小牧産が中心。ツブ、ウニ、ボタンエビ…。特にホタテの弾力に驚いた。富士山の器にニンジンのチョウが舞う。飾り物にも手が込んでいて、見た目にも彩りを添えている。

 「茶碗蒸し」は、基本、「うに」「かに」「北寄」の3種類。だが「どれも食べたい」と言うと、料金そのままで、3種類を少しずつ入れて作ってくれた。なんともぜいたくな一品だ。充さんは「裏メニューですが、大抵のお客さんが、これを注文します」と苦笑い。

 料理もそうだが、全国各地の珍しい日本酒がそろっているのも、この店の魅力。女将(おかみ)のあすかさん(38)にお薦めの日本酒を頼むと、夏らしい爽やかな酒を注いでくれた。酔鯨(高知)の夏季限定生酒だ。「私が日本酒が好きで、旬のお酒を仕入れています」と笑顔で語るうんちくも楽しい。

 旬の料理に合う旬の酒。細かな心遣いもうれしい。一度、暑気払いに訪れてみてはいかが。

<メモ>
 「味どころ海辺」は苫小牧市錦町1の6。(電)0144・32・1724。営業時間は午後5時30分~9時30分ラストオーダー。日曜・祝日定休。46席(禁煙席なし)。駐車場なし。