旭川市の「3・6街」、そこに「居酒屋 チビマス」がある。引き戸を開けると、ねじり鉢巻の大将、阿部義夫さん(70)が「いらっしゃい」と迎えてくれた。

 若いころ、スーパーの鮮魚コーナーで働いていた大将が、結婚を機に店を持ったのが30歳の時。以来この地で40年、市民や観光客に愛されてきた店である。

 やはり、何といっても魚から。まずは「なめたガレイ」を注文。焼き台から炭焼きのいい香りが漂う。程なく運ばれてきた、カレイの大きさにびっくり。40センチはあるだろうか。「近海物ですよ」と大将。肉厚で脂の乗った白身を一口。その味に、思わずうなってしまった。なるほど、大将の魚を見る目は確かである。

 「カキとタチのかいがら焼」は、厚岸産のカキと、道内産のスケソウダラの白子に軽く塩こしょうで味付けし、バターで焼いている。クリーミーな素材が、さらに濃厚になり、たまらない。

 おなかはいっぱいだが、ほとんどの客が頼むという「白菜三升漬」を。1日塩漬けした白菜に、自家製三升漬をまぶしたもの。ピリッと辛い中に、こうじの甘みがほんのり。酒のさかなにはぴったりだ。

 「みそおでん」も人気がある。カツオと昆布のだしに漬け込んだおでん種を、注文を受けてからみそだれに絡める。なんとも懐かしい味。

 決して新しくはない店だが、厨房(ちゅうぼう)はピカピカに磨かれ、大将のシャツもパリッと清潔。女将(おかみ)、綾子さん(61)のテキパキとした応対も好ましい。真のおもてなしを感じる店だった。

<メモ>
 「居酒屋 チビマス」は旭川市3の6左8。(電)0166・22・5685。営業時間は午後5時~11時30分。日曜・祝日定休。37席(禁煙席なし)。駐車場なし。