来年3月に開業する北海道新幹線新函館北斗駅(北斗市市渡)。構内を歩くと「地元らしさ」にこだわった素材が散見される。天井を彩る道南スギがその代表だが、もう一つ目に付くのが、れんがの壁だ。コンコースの駅事務室=写真=、2階の観光案内所、1階のイベントスペースの3カ所に使われている。

 道内最初のれんが工場が旧上磯町にあったことにちなんでいる。まだ箱館戦争の残り香があった1872年(明治5年)、れんが製造に適した粘土と砂があったという現在の北斗市茂辺地に、開拓使が「茂辺地煉化石(れんがせき)製造所」を造った。

 この工場製のれんがには「函館製造」の刻印が押されており、函館市内ではホテルラビスタ函館ベイ(豊川町)、市立函館博物館郷土資料館(末広町)、旧開拓使函館支庁書籍庫(元町)で見ることができる。

 当時、東京向けのれんがも製造し、好評だったが、原料と燃料の確保が困難になったため、81年(明治14年)に廃止された。

 ちなみに新函館北斗駅で使われている約2万8千個のれんがは十勝管内豊頃町の工場製だ。新幹線を降り立った人たちが、道南らしい異国情緒を感じる舞台装置の一つになりそうだ。(岩崎勝、写真も)

 北海道新幹線で新設される新函館北斗、木古内、奥津軽いまべつ(青森県今別町)の3駅がほぼ完成し、4日から12日にかけて市民向け見学会が開かれた。これに参加した函館報道部のカメラマンが駅構内や周辺で「面白い」と感じたスポットを切りとった。(6回連載します)