来年3月の北海道新幹線開業に合わせ、「東京と新函館北斗(しんはこだてほくと)を結ぶ新幹線『はやぶさ』を、宇都宮駅に停車させてほしい」との要望があるそうだね。

  はやぶさは今、東北新幹線の東京―新青森間を1日17往復している。「やまびこ」などは止まるけれど、はやぶさはすべて宇都宮駅を通り過ぎているからだよ。

  宇都宮、函館両市の行政、経済界が中心となった取り組みなんだよね。

  その通り。道も同じように要望している。今までも宇都宮市は「停車する新幹線を増やしてほしい」と求めていたが、難航していた。はやぶさは新函館北斗まで乗り入れるので、道内の関係者が一緒(いっしょ)に声を上げるようになったんだ。

  利点は何だろう。

  宇都宮など北関東から道内へ向かうのに、仙台(せんだい)や盛岡(もりおか)で乗り継(つ)ぐ手間がはぶける。宇都宮から新函館北斗への所要時間は、今の新幹線ダイヤと比べると、30分ほど早くなるだろう。人口52万人を抱(かか)える宇都宮市は北関東の中核(ちゅうかく)都市だ。観光やビジネスで行き交う人が増えれば、お互(たが)いの地域経済にとってプラス効果が大きいのは間違(まちが)いない。

  停車は実現できるかな。

  JR北海道の島田修社長は10日の記者会見で「多くのお客さまの支持は得られない」と語った。本州の停車駅はJR東日本が決めるものの、島田社長は「宇都宮停車は難しい」という実情をにじませたんだ。JR東日本も「課題が多い」としているよ。

  何往復かは、宇都宮駅に止まるようにしたって問題ない気がするけど。

  はやぶさは首都圏(しゅとけん)と仙台以北を短時間で結ぶ「速達(そくたつ)性」を重視した列車だ。だから北関東と南東北の駅を素通りしている=図参照=。停車駅を増やすと全体の所要時間が長くなるというマイナス面があるよね。

  特例扱(あつか)いはできないんだね。

  道新幹線の利用増につながりそうで、期待は大きいけれど、簡単じゃないよ。実は福島や郡山にも、はやぶさ停車を望む声がある。JR側には「宇都宮だけ特別扱いすると、他都市に説明がつかなくなる」との警戒(けいかい)感も強いようだ。

  これから、どういう展開が予想されるのかな。

  宇都宮、函館両市は今後も働きかけを続けるだろう。JR側も、島田社長が「北関東は重要なマーケットだ」と話すなど、集客したい点では一致(いっち)している。仙台での乗り継ぎ時間を今以上に短くする方向で、JR東日本、北海道両社の調整が進むと思うよ。

  それでも、直通列車の方が便利だよね。

  宇都宮には大きな私立高があり、修学旅行での利用も見込(みこ)める。宇都宮などで止まる団体専用の臨時列車を走らせ、学校側の使い勝手を良くする考えもあるみたいだ。(十亀敬介)