銀色に輝くトキシラズ。目利きは競りの前、必ず腹をさわり弾力などを確かめる

 季節外れの初夏に取れるため、「時不知」とも書くが、遡上(そじょう)の時期を間違ったわけではない。

 母川はアムール川などロシアの河川で、夏に産卵のため回帰する。途中に通る道東沖などで漁獲されるシロザケがトキシラズだ。札幌市中央卸売市場では、根室管内標津産などを中心に入荷している。

 秋サケとの違いはその脂の乗り。産卵に回す栄養を蓄えた身はジューシーで、望外のうまさだ。同市場で鮭鱒(けいそん)一筋56年の吉川水産の吉川隆昭さん(74)は「ほれ、見ればすぐ分かる。うまいのは顔がちっちゃくて腹は真ん丸太ってる。身はきれいなピンク色がいい」と教える。

 3キロ台が中心だが、6キロ以上あるものもある。魚体が大きいほど味は良い。水産卸・カネシメ高橋水産の照井秀樹さん(38)は「これからどんどん脂が乗ってくると、うろこがはがれてくるんだよ」と話す。

 オスとメスで食味に大きな差はないという。ルイベ、ムニエル、フライなど料理法は問わない。目利きらは、脂の甘みを味わえる「塩焼き」を推す。大根おろしを載せれば、清涼なうま味が口に広がる。

 札幌市や関係者らによると、15日現在、卸売価格は1キロ当たり540~4547円と例年より安価だ。(岩内江平)