十割そばの店。注文を受けてから客の目の前で粉を練り、打ち、切って、ゆでる。鮮やかな職人芸を堪能するなら、カウンターが特等席だ。

 基本メニューは「もり」(900円)と「大もり」(1200円)のみ。まずは何も付けず、そのまま2、3本つるり。次は箸の先に塩を付けて麺をつまみ、よくかむ。そばの甘みがじわじわと感じられる。それからだしの利いたつゆに付けて。濃厚なそば湯も、たっぷり味わいたい。

 一人で切り盛りする店主の江口実さん(67)は函館出身。おいしい食べ方を浜言葉で教えてくれる。「江戸前のそばは、のどごしで楽しむ。なんて言うけど、本当にうまいもんは、よくかんで味わうもんだ」と、道産そば粉で打つ北海道のそばに自負を持つ。

 和食料理人の腕を生かした要予約のオリジナル自信作が「しめさば手巻きそば」(2~4人前、4500円)=写真。焼きのりにそばとさば、ミョウガ、ネギなどをお好みで巻いて食べると、これまた絶品。中通りにたたずむ古い一軒家の風情が、そばと酒によく合う。

 ◆そばゃ酒 然(しかり) 札幌市中央区南8西10―1278。(電)011・531・3532。カウンター3席、4人掛けテーブル3。午前11時30分~午後10時、不定休。駐車場なし。近くにコインパークあり。<道新スポーツ5月18日掲載>