試しに記者の知人の赤ちゃんにスマホを渡してみると、両手で握りしめ、すぐに画面に夢中になった

 幼い子どもにスマートフォンで遊ばせる「スマホ育児」が増えている。親が家事で忙しかったり、外出先で静かにしなければならない時などに、子どもに親のスマホを使わせるケースが多いが、子どもの発達に影響はないのだろうか。実態調査の結果を踏まえて、考えた。

 札幌市内の自営業女性(40)は息子(5)が3歳のころから、外出中にぐずった時に、自身のスマホを渡して遊ばせるようになった。最初はお絵描きのアプリを使ったり、アニメの動画を見るだけだったが、次第にゲームもするようになった。「今は毎日スマホで遊ぶのが当たり前になってしまった。影響を心配していないわけではないけど、騒いで人に迷惑をかけて文句を言われるよりはいいかと思う」と語る。

 一方、苫小牧市内の主婦(32)は1歳と4歳の子どもにスマホを触らせないと決めている。「私自身がスマホを手放せなくなり、依存性の高さを感じている。子どもはそうなってほしくないし、没頭しすぎて周りに反応しなくなるのが心配だから」という。ただ、実家に遊びに行くと、母が子どもたちにタブレットを貸してゲームさせたり、動画を見せたりするが、「そこは長時間じゃなければいいかと割り切っている」。

 昨年10月、ヤフーなどIT関連業者で作る「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」が、第1子が未就学児の保護者を対象に調査を実施。約1100人から回答が寄せられた。調査結果によると、スマホやタブレットなどの情報通信機器を利用したことがある乳幼児の割合は年齢が上がるごとに増加。0歳で21・8%だったのが、2歳では50%を超え、6歳になると74・2%に達した。

 「どんな時に使わせているか」(複数回答)では、「子どもが使いたがる時」が最も多く44・4%、「親が家事などで手が離せない時」が31・7%だった。

 「子どもがスマホで何をしているか(ネットにつながっている場合)」(同)の問いでは、「動画を見る」が43・5%、続いて「動画を投稿する」で13・7%、「ゲームをする」が4・7%だった。

 「子どもがスマホなどを利用することへの懸念」(同)については、「視力への悪影響」が最多で59・2%、「勝手に課金や入金をしてしまうこと」が32・9%。懸念が「特にない」は6・1%に過ぎず、多くの保護者が何らかの影響を心配していることも分かった。

 任意団体「子どもとメディア北海道」副代表で、各地で子どもとメディアの関わりについて講演活動を行っている中谷通恵(なかやみちえ)さん(56)=胆振管内白老町在住=は「0~3歳は自己肯定感が培われる時期で言葉による応答が大切。一方的に刺激を与えるスマホなどは言葉や表現力の発達に支障をきたす恐れがある。また、4~6歳は意欲や自発性の土台ができる時期で、外遊びやごっこ遊びを『主食』として重視し、スマホなどを『おやつ』ぐらいの気持ちで制限して付き合ってほしい」と強調。その上で「親の中には周囲を気にして、子どもが騒いだ時などにスマホで遊ばせる人もいる。周囲も子育てに寛容であってほしい」と呼びかけている。(片山由紀)