抱っこひもを使ったことがある人のうち、7割以上が子どもが落下しそうになる経験をしていた―。こんな結果が国内の抱っこひも製造、販売メーカーなど40社で構成する「抱っこひも安全協議会」(東京)の調査で明らかになった。調査では赤ちゃんを抱っこひもに乗せる時に、最も落下する危険があったことも分かった。使用時の注意点をまとめた。

 調査は、同協議会が昨年11~12月、インターネットを通じて抱っこひもの使用者を対象に行い、756件の回答を得た。

 調査では、危険な体験や状況などを意味する「ヒヤリハット」の経験を質問。「どんな時に体験したか」(複数回答)の問いでは「落下」が最も多く71・8%で、続いて「足や手などの強い圧迫」17・8%、「窒息」7・4%だった。

 このうち、「落下」と答えた547人にその時の状況を尋ねた(同)。最多は「赤ちゃんを抱っこひもに乗せる時」で45・2%。次いで「かがんだ時」29・8%、「抱っこひもから降ろす時」24・3%だった。

 体験談では、赤ちゃんの成長段階に応じてヒヤリハットの場面が違うことも分かった。「生後4カ月までの赤ちゃんは小さすぎて、抱っこひもからすり抜けやすい」「4~6カ月は赤ちゃんがのけ反る」「1、2歳は自分から抱っこひもを抜けだそうとする」といった事例が寄せられた。

 生後7カ月の息子を育てる札幌市内の女性会社員(32)は「物を取ろうと前かがみになった時などに、子どもが落ちそうになったり、自分もバランスを崩しそうになったことがある」という。それ以降、ネットで抱っこひもの使い方を頻繁に確認している。「常に抱っこひもの存在を意識し、気を抜かないようにしないと事故につながりかねない」と気を引き締める。

 同協議会事務局の栗田京子さんは「メーカー側も実際にどのような場面で危険を感じたかを知らない場合が多い。データを収集、分析することで、抱っこひもの安全な使い方の周知に役立てたい」と話す。

 消費者庁にも、医療機関などから抱っこひもに関する事故の報告が寄せられている。これまでに「保護者が首の背後にあるバックルを留め忘れたため肩ひもがずれ落ちて、子どもが地面に落下し骨折した」「かがんだら、子どもが抱っこひもからすり抜けて転落した」などの事例があった。

 同庁は「抱っこひもは必ず取扱説明書を読んだ上で、正しく安全に使うよう心がけてほしい。バックルの留め忘れや破損がないかは毎回確認してもらいたい」とする。

 東京都は、2014年度に抱っこひもの正しい使用法をまとめたリーフレットを作製した。

 抱っこで前にかがむ時は必ず手で子どもを支える、子どもを抱っこひもから降ろす時は低い姿勢で行うことなどをイラストを交えて説明。使用時はバックルの留め忘れがないか、子どもが苦しくないかを確認する―などのチェックポイントも盛り込み、ネットで公開して活用を呼びかけている。(片山由紀)