公共の場で子どもがぐずると、周囲への迷惑になってしまう―。幼い子どもを持つ親の中には、そう考えて電車やバス、レストランなどの利用をためらう人もいるようだ。子どもの声はそもそも、コントロールは可能なのか。親は静かにさせなければいけないのだろうか。少子化や核家族化の進展で子育ては社会全体で考える問題でもある。親たちの声を聞くとともに、有識者2人の話を聞いて考えた。

 5月中旬、札幌市中心部のイタリア料理店。親族との会食のため、1歳の長女と訪れた同市西区の自営業の女性(34)は、重い気分でドアを開けた。娘は活発で、長くはじっとしていられない。案の定、用意された子供用のいすを10分ほどで降り、「きえ~」と機嫌の良い声を出しながら、テーブルのそばを歩き始めた。抑えると嫌がり、もっと大きな声を出す子だ。時々こっちを見る周囲の客の目線が気になる。次々に運ばれる料理を尻目に女性は早々と娘を連れて店を出た。