ますかわ・まこと 北見市生まれ。日大法学部卒業後、札幌通運を経て、1986年に北見通運に入社。2002年に常務取締役、08年から現職。

■つらい仕事 率先して

 子どもの頃から、家業の通運会社を継ぐものだと思っていました。ところが、大学時代に父親と酒を飲んだ際、「何でも好きなことをやってもいいんだぞ」と言われ、びっくりしました。父は婿養子として社長になったので、苦労があったのかもしれません。

 それでも大学卒業時、「やはり継ぎたい」と父に伝えると「だったら同業他社で修業してこい」と。札幌通運に入り、仕事を一から学びました。配属は通運部門。旅客の乗車券と同じで、通運会社も「枠取り」といって貨物列車に荷物を載せる権利をもらうため、国鉄(当時)の事務所に申し込む必要があります。ちょうど分割民営化の時期で、労使関係が緊張していて、とても気を使ったのを覚えています。

 会社に戻ったのは27歳の時。平社員から始め、役職はほぼ飛び越えずに来ました。いま思うと、これが良かった。周りからは「将来の社長」という目で見られ、プレッシャーもあったのですが、他の社員と同じように立場に応じた課題に向き合い、一つ一つ乗り越えられたのは幸せでした。

 一貫して心がけたのは人の嫌がる仕事、つらい仕事は率先してやっていこうということ。遅配や誤配のトラブル処理はもとより、運送料が未払いのまま倒産した企業まで荷物を差し押さえに行ったこともあります。

 社会人になれば、学生時代には出合わない問題が次々と起こりますが、逃げずに立ち向かってほしい。苦労は必ず自分の糧となります。人との出会いも大切にしてほしい。自分を成長させ、困難を乗り越える原動力になるはずです。(聞き手・北見報道部 川上昌弘)