得意の洗濯に精を出す菊地さん。「追求して家事が楽しくなった」という

 共働き家庭の増加に伴い、家事を積極的にこなし、楽しむ男性「カジダン」が増えている。一方で「何をすればいいか分からない」「妻に、やり方が違うと嫌がられないか」と尻込みする男性もまだまだいる。自分の性格や得意分野を踏まえ、できる家事から始めてみてはいかがだろうか。

 札幌市白石区の菊地敦士さん(43)は妻と子ども2人の4人家族。脱サラし、1年前からフリーの照明設計士として、自宅を拠点に仕事をする。食事は会社員の妻が作るが、それ以外の掃除や洗濯などの家事は菊地さんが担当だ。

 特に菊地さんが好きなのは洗濯。室内干しの臭いやタオルのゴワゴワ感を取り除くにはどうしたらいいかと悩み、いろいろ試すうちに、洗剤の種類や洗剤を事前に溶かすことにこだわるようになった。部屋の掃除も、モップや市販の掃除道具を駆使する。浴室は夜の入浴後に洗って、水切り用のワイパーで壁の水滴を拭き取る徹底ぶりだ。

 「実験する感覚でいろいろ試してみると、家事が面白くなった。自分は何が得意で、何を極めたいかを考え、そこから家事を始めてみると男性は、はまるかも」と語る。

 岩見沢市の会社員伊藤新(あらた)さん(47)は「風呂の掃除やごみ出し以外は正直あまりやっていない。勝手にやって『やり方が違う』と妻に怒られるとへこむから。むしろ育児を手伝った方が妻に喜ばれる」と語る。休日は子ども2人を連れて外出し、妻が1人になれる時間をつくるという。

 実際に妻は夫にどんな家事をしてほしいのだろうか。

 札幌市で子育てサークルを主宰する吉田小百合さん(49)は「夫がいつもと違う場所に物をしまったり、食器洗いをしてくれても汚れが残っていたりすると、どっと疲れる」と苦笑する。「休日にトイレを念入りに掃除するとか、窓ガラスを拭くとか、普段後回しにしていることをやってくれるとうれしい」という。

 苫小牧市の主婦山口真規子さん(31)は2児の母。勤務医の夫は休日に積極的に食事を作ってくれる。「強いて言えば、作った後の片付けはちゃんとやってほしいかな」と一言。でも何よりの励みは、夫からのねぎらいだという。「いつも家事や育児をしてくれてありがとうと感謝されると、また頑張ろうと思える。それが一番うれしい」

 夫が「カジダン」になるにはどうすればいいか。家事の大切さを伝える、家事塾セラピストで札幌在住の居上英子(いかみひでこ)さん(46)は「頑張って家事をやっても、やり方が違うと文句を言われればもうやらないと思うもの。妻も夫の家事のやり方が多少自分と違っていても目をつぶり、感謝の気持ちを伝えて」と呼びかける。

 夫婦の家事分担講習などを行っている東京のNPO法人「tadaima(ただいま)!」の三木智有(ともあり)代表(36)は「まずはご飯の支度は何時に始め、風呂は何時に沸かすかなど、一日の家事の流れを夫婦で互いに認識することが大切」と指摘する。

 「夫が妻と一緒に家事や育児に取り組めば、妻からの『信頼貯金』が増える。貯金があれば、多少けんかになったり、家事をサボってもすぐに『借金』に陥らない。普段からコツコツと家事をして、信頼をためてほしい」とアドバイスしている。(片山由紀)