減量前の佐藤さんの愛犬マッシュ。腹部のつり上がりが少ない

減量後。体全体がスマートになり、腹部がしっかりつり上がっている

減量前。腰のくびれが少ない

減量後。くびれがはっきりしている

 丸々とした犬や猫はかわいらしいが、肥満は人間と同じく多くの病気を引き起こす要因になる。太った犬や猫には計画的な食事管理と運動による減量が必要だ。アニマルクリニックおかもと(札幌)の岡本輝久院長(53)と動物看護師三浦葉奈代さん(27)に効果的な減量の方法を尋ね、ポイントをまとめた。

犬 週0.5~2%減  猫 週0.5~1%減ペース

 日本獣医生命科学大(東京)の新井敏郎教授らが2008~11年に行った全国調査では、健康な飼育犬888匹のうち「やや肥満」と「肥満」は26%だった。ペット保険を扱うアニコム損害保険(同)の11年の調査(有効回答2752人)によると、飼い主の41%が、飼育する猫を「肥満」「肥満気味」と答えた。

 岡本院長は「肥満は、関節の痛み、椎間板ヘルニア、糖尿病などを引き起こす恐れがある」と話す。

 犬猫の肥満度を調べるには、「ボディーコンディションスコア」と呼ばれる体形基準を用いる=表=。岡本院長は「太り気味と思ったらかかりつけの動物病院で診察を受けるのがよい」と助言する。

 基準の「やや肥満」か「肥満」に該当するなら減量が必要だ。まず目標とする体重を計算する。方法はいろいろあり、例えばやや肥満の犬猫の場合、現在の体重×0・7÷0・8で算出する。肥満は、現在の体重×0・6÷0・8で計算する。

 減量は人間と同じで食事管理と運動が中心。三浦さんは「いきなり運動量を増やすと、関節などを痛める場合がある。急に食事量を減らすと必要な栄養を摂取できず、体調を崩す原因になる」と話す。犬の場合、1週間で体重が0・5~2%減るペース、猫は0・5~1%がよいという。

 アニマルクリニックおかもとに通って減量に成功したのが、札幌市東区のパート社員佐藤美子さん(52)の愛犬、メスのミニチュアダックスフントのマッシュ(13)。14年2月、体重7キロで高脂血症、肥満だったのが、1年2カ月後には26%に当たる1・8キロを減量、目標体重の5・2キロを達成した。

 減量用のドッグフードに切り替えて1日の食事量をグラム単位で決め、1カ月ごとに来院し体重を確認、徐々に食事の量を減らした。散歩やボール遊びにも積極的に取り組んだ。三浦さんは「食事や運動、生活の様子を聞き、途中、体重が減りづらくなると、おやつを減らすなどの減量方法を飼い主さんと一緒に話し合って決めた」と話す。

 佐藤さんは「長生きしてもらいたいと頑張った。動物病院で体重を量るのを励みに、低カロリーで好物のブロッコリーなどの野菜を食事に加え、無理なくやせられた」。愛犬の高脂血症は改善し、以前より活発に動くという。

 猫の減量方法も基本的に同じ。運動のため、キャットタワーがあるならタワーの上に餌を置き、タワーがない場合は家具の高い場所に上るように配置を工夫する。一緒に遊んで運動を促すのも効果があるという。(編集委員 中村康利)