全身の筋力が低下する難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)で33年間の闘病生活を送り、83歳で亡くなった松本茂さん=秋田県大潟村=の遺稿集「俺は生き抜いたよ」が出版された。日本ALS協会の元会長として支援制度の充実に尽力し、生きる希望を失わなかった魂の記録だ。患者は国内で約9400人とされ、妻るいさん(87)は「将来を悲観せずに前を向いて生きてほしい」と願っている。

 「10年ぶりにコンバインに乗る。ごうおーとうなりながら稲刈りをする。(中略)手も足も動かず、食べることも話すこともできず、頭だけで稲刈り。うれしくて、うれしくて、心の中でばんざい」。病を抱えても、農業経営者でありたいと思い続けた松本さんの詩の一節だ。