16日間の会期で251万人の人出を迎え、7日に閉幕した今年の弘前さくらまつりは、100年目を記念する新企画やイベントで活況を呈した。市や弘前商工会議所などでつくる100周年事業実行委員会は「100年を契機に、弘前を世界に発信できた。来年の100周年に向けて弾みがついた」と手応えを感じている。

 弘前観光コンベンション協会によると、中堀の和船は外国人など多くの観光客から人気を博し、約6500人が乗船。多いときは1日500人を数えた。船頭を務めた福岡県柳川市の沖石幸輔さん(45)と原田純さん(38)は「地元の人でも滅多に見られない、堀の中からの景色を多くの人が喜んでくれた」と振り返った。社会実験として11月まで試験運行される観光人力車も盛況だった。

 高級観桜会をテーマにした弘前さくら桟敷は、観光客を中心に計2千人が利用。地元の食材を使った弁当や津軽三味線の生演奏が好評だった。一方で、ソメイヨシノの早咲きに伴い会期後半に桟敷予約のキャンセルが目立ったといい、同協会の白戸大吾観光振興部長は「来年以降はツアーに組み込んでもらうなどの対策を検討したい」と話した。

 出店も各種イベントとの相乗効果で売り上げを伸ばした。コーヒーなどを販売した60歳代の男性は「観桜会100年のさまざまな仕掛けの効果を肌で実感できた」、焼きそばなどの店の40歳代女性らは「人出のピーク時ほどではなかったが、観桜会記念日の5月3日も夜の花火が終わった後のお客さんが非常に多かった」と喜んでいた。

 葛西憲之市長は「今までのさまざまな観光施策が花開いた。今後も100周年などの節目を起爆剤に、国内外に弘前市を発信していきたい」と意欲を見せた。実行委会長の清藤哲夫・同商議所会頭は「実行委は2月に発足し、短い期間で準備しなければならなかったが、話題性があり、うまくPRできた」と語り、来年以降に向けて「先人に感謝し、まつりが市民に継承されてきた意味を考え、新たな趣向を加えながら地道に取り組む」と力を込めた。