てんこ盛りのイカゲソ天と甘辛いタレ―。旭川市民おなじみの「ゲソ丼」が、イカの価格高騰のあおりを受けている。イカは今や高級品だが「お客さんの感覚では庶民の味」(飲食店)と、簡単に値上げには踏み切れない。関係者は資源の回復に期待を寄せつつ、急場をしのぐ。

 30日正午すぎ、「立ち喰いそば天勇」(5の7)では、会社員やタクシー運転手らが続々と訪れ、仕事の合間に昼ご飯をかき込んでいた。ほとんどの人がそばやうどんとセットで頼むのが、同店発祥とされる「げそ丼」(単品400円、セット550円)だ。

 1月で漁期を終えた道南のスルメイカ漁の水揚げが過去最低となり、品不足からイカは軒並み高騰している。生鮮食品卸大手キョクイチ(旭川)によると、むきイカなど加工品を含めた冷凍イカの2016年度の平均単価は1キロ820円と前年度比80円高。国産の不足から初めて韓国の冷凍イカ約150トンを輸入した。

 天勇も仕入れ値が以前の2倍近い。2年前に単品を350円から400円に値上げ。2月からは単品のゲソ天を7個から5個に減らした。村田和之社長(47)は「ゲソが売りなのでダメージが大きい。不漁が続くなら将来は輸入物を使うことも考えなくては」と話す。