自然界でサケの卵がふ化する春先、渡島管内さけ・ます増殖事業協会(函館)などが、養殖したサケの稚魚を、管内の河川や港で放流する事業を行っている。ただ、これに伴って稚魚を狙うカモメが大挙して河口に押し寄せており、同協会の頭を悩ませている。

 同協会と水産総合研究センター北海道区水産研究所(札幌)の八雲さけます事業所では、遊楽部川(八雲)や知内川、茂辺地川(北斗)など管内24カ所の河川、港で毎年計1億1250万匹の稚魚を放流している。4年後に戻ってくる比率は1~1・5%で、昨年は110万匹だった。海に出て大きな魚に食べられることの他、もう一つ、河口でのカモメによる捕食も稚魚にとって危険な存在となっている。

 茂辺地川では毎年、3月中旬から5月中旬にかけ960万匹の稚魚を放流しているが、河口でカモメの大群が待ち構え、次々と稚魚をくわえていってしまう。同協会では、稚魚を育てている近くのふ化場の池に網を張ったり、カモメが活動しない夕方に放流したりするなどの対策をとっているが、カモメに捕まる稚魚は少なくない。