学校法人駒沢大学(東京)から苫小牧駒沢大(苫小牧市錦岡)の経営を引き継ぐ学校法人京都育英館(京都市)が、2020年度にも学部増設や定員増の方針を示していることで、大学周辺の不動産、小売業界は新たな商機に注目している。さらに早くも「学生アルバイト増で人手不足解消につながる」との声も出ている。

 京都育英館は、同大に看護学部などを新設し、1月現在189人の学生数を数年後に千人規模とすることを目指す。

 こうした動向を注視するのが不動産業界だ。常口アトム苫小牧支店によると、1人暮らしをする同大学生の多くが大学周辺に居住。この地域は大学新設の約20年前にアパート建設が進み「ここ数年の学生数減少で、空き部屋が多数ある」(担当者)。さらに、千人規模となれば新たなアパートやマンション建設も盛んになり「賃貸住宅需要の増加が見込める」という。

 王子不動産北海道支店には、大学のある錦岡周辺の土地の売却相談が以前から寄せられているが、買い手が付かず10年ほど売りに出したままの土地もあるという。担当者は「土地需要が集中する市内東部に比べ地価が安い中、学生が増えればアパートや小売店の建設増が見込める。低迷する苫小牧市西部の土地売買のきっかけになれば」と話す。

 苫駒大開学の前年、1997年に開店した錦岡の「きっさ ピエ呂」はかつて学生の憩いの場としてにぎわったという。店主の相沢るみこさんは「学生数の減少と共に、来店する人も減った。今ではほとんど来ない」と話す。周辺の住宅地では高齢化が進んでおり「住民は買い物難民状態。学生が増えれば小売店も増え、利便性が向上する」。

 小売業界にとっても商機だ。大手コンビニエンスストアチェーンの出店担当者は「一般的に大学の近くは出店ポイント。千人規模の大学になれば、各チェーンとも出店計画の検討対象になるのでは」と分析する。