札幌市営地下鉄東豊線の新道東駅(東区)で、ホームからの転落を防ぐ可動式ホーム柵が24日から稼働することになり、10年かかった地下鉄3路線全49駅での整備が終わる。利用者からは「安心して利用できるようになる」と歓迎の声が上がる。一方、市交通局が人件費抑制などを目的に進めるワンマン運転も始まるため、安全面の徹底が求められる。

 可動式ホーム柵は、車両のドアと同時に開閉する。東豊線では昨年7月、北端の栄町駅で整備が始まり、その後は南端の福住駅から順に北に向かって工事してきた。東西線は2009年3月、南北線は13年3月に整備を終えている。

 過去10年間では、東西線と南北線はホーム柵の設置前、酒に酔った客などが線路に転落する事故が年間6~17件起きていた。整備後は、幼児が車両とホームの隙間に足を踏み外す事故が数件あったのを除き、転落はゼロになった。

 新道東駅では9日から工事に入る。自宅近くの同駅を利用する主婦浜辺智勢子さん(77)は「混雑時はホームで他の客に押されると落ちそうで怖かった。安心して電車を待っていられる」と喜ぶ。

 3路線では視覚障害者の転落も過去10年間で9件あり、いずれもホーム柵設置の前だった。昨年は東京都と大阪府で、今年1月には埼玉県で視覚障害者の転落死亡事故が起きており、札幌市視覚障害者福祉協会の近藤久江会長(67)は「長らく求めてきた念願がかなう。障害当事者も1人で歩きやすくなる」と話す。

 一方、東西線、南北線に続き、東豊線も4月1日からワンマン運転になる。最後部車両で安全確認していた車掌の乗務をやめ、運転士が目視とモニターで判断してドアを開閉する。