有害物質を含んだ他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」の防止を強化した厚生労働省の健康増進法改正案の行方が注目されている。家族連れや訪日観光客が多く利用するとの理由で、居酒屋を原則禁煙とした点が、議論の焦点になる。札幌市内の酒場で利用客や店側の本音を聞いた。

 全120席で喫煙できる札幌市中央区の居酒屋「ふる里札幌総本店」。JR札幌駅前のオフィス街にあり、近隣で働くサラリーマンや公務員が夜遅くまで利用する。取材時も、たばこを片手にじっくりと話し込む男性客の姿が目立った。

 「酒の席ぐらい気兼ねなく吸いたいよ。残念でならないね」。ヘビースモーカーを自認する清田区の会社員高井哲夫さん(68)は改正案に不満顔だ。友人で中央区の会社員千葉貴寿(たかひさ)さん(54)も「分煙じゃダメなのか。喫煙場所が減れば、歩きたばこなどマナー悪化を招く」と援護した。

 一方、別の席で食事を楽しんでいた中央区の女性看護師(48)は「煙を吸わなくてすむ環境が当たり前。早く成立してほしい」ときっぱり。同じ店の客でも意見は分かれた。