札幌市内の博物館では、展示資料に多言語の表記を取り入れるなど、学芸員がさまざまな知恵を絞り、外国人観光客への対応に当たっている。山本幸三地方創生担当相は、外国人観光客らへの文化財などの説明、案内が不十分として「一番のがんは文化学芸員」などと発言し、撤回したが、学芸員は「幅広い業務を担っている実態を知ってほしい」と話す。

 「机に向かって、研究だけをしているわけではない。外国人を含めてどう分かりやすく伝えるかを常に考えている」。道内の歴史的な建造物を移築・復元した「北海道開拓の村」(厚別区)の学芸員細川健裕さん(38)は訴える。

 同村では、学芸員が適切な英語表現や案内で強調すべき内容などを、案内を担うボランティアガイドに教えている。海外の来場者から「自国では有料ガイドが一般的なのに、無料で丁寧に説明してくれた」と感謝され、礼状が届いたこともあるという。

 学芸員は博物館法に基づく国家資格で、博物館や美術館などに配置される。資料の収蔵や調査研究、一般向けの普及活動まで業務は幅広い。細川さんは「他国の大臣と接した時、学芸員の仕事を尊敬してくれていた。自国の大臣が知らないのは恥ずかしい」と話す。