【函館】昨季のスルメイカ(マイカ)漁の記録的な不漁が、国内有数のイカ加工業の集積地である函館の業者を直撃している。品薄による原料価格の高騰で各社とも苦戦を強いられ、倒産する会社も出始めた。函館市が中小企業向けの融資制度で支援に乗り出す一方、業者も代替品を使った商品づくりを始めるなど、生き残りを模索している。

 「原料価格は2倍に上がったが、商品の値段は企業努力で5割高にとどめている。でも、高くなった『さきいか』は買ってもらえない」。イカ加工品製造のイシオ食品(函館)の山川敬人専務(39)は漏らす。

 函館市内のイカ加工業者は約70社で、周辺も含めると約100社に上るという。青森県八戸市や宮城県気仙沼市と並ぶ大集積地で、道内各港で水揚げされたイカが集まる。

 市によると、16年の函館のスルメイカ漁獲量は約8千トンで、10年前の5分の1。単価は10年前の3倍以上に高騰した。この影響で市内の下処理業者が3月に倒産。関係者の間で倒産が今後も続くとの懸念が急速に広がっている。

 一方、業者も模索を始めている。トナミ食品工業(北斗)は昨年11月、地元産ジャガイモを使った加工品を発売。「全国的にイカが捕れない中でリスク分散は必然」と、今後はニンジンや肉を使う商品開発も考えている。