道内ホタテの主産地である噴火湾で、加工用のホタテの今季(昨年10月~今年5月)の漁が記録的な不漁になりそうだ。道漁連によると、主力の「2年貝」の水揚げは平成以降で最低となる約1万4千トンにとどまる見通しで、十分な仕入れができない地元加工業者の経営を圧迫している。

 今季3月末までの2年貝の水揚げ量は1万587トンで不漁だった前年同期と比べても、わずか3割にとどまっている。このため、浜値は1キロ600円程度と前年の2倍に高騰している。

 噴火湾はオホーツク海に次ぐ道内第2位のホタテ産地で、漁業者はロープに貝をつるし、海中で養殖している。ところが、一昨年秋からホタテが弱って死ぬ被害が続出。道によると、一部の漁業者が養殖施設につるす数量を増やし貝同士の密度が高まったことや、低気圧で養殖施設が揺れ衝撃が加わったことなどが、原因と考えられるという。

 さらに昨年8月末の台風10号により貝が海底に落ちたり、ロープがからまったりと大規模な損害が出た。渡島管内八雲町の漁業、碇友昭さん(56)は「これほど捕れないのは初めてだ」と肩を落とす。

 ホタテ加工業者でつくる北海道ほたて流通食品協会(札幌)によると、加入する全道364社中100社が渡島、胆振管内の噴火湾沿いに集中しており、地域への影響は深刻だ。加工業者の中には対岸の青森産を求める動きが出ているものの、「ネットワークがなく仕入れは難しい。原料がなければ仕事にならない」(森町の水産加工会社)との嘆きも漏れる。