JR北海道が開発を中止した新型特急用ディーゼル車「285系」の試作車3両の解体作業が、札幌市東区のJR苗穂工場で行われている。解体後はスクラップとして業者に売却される予定だ。

 2日は、作業員らがクレーンで車両のドアや窓を取り外した後、車体をつり上げていった。苗穂工場を見渡せる陸橋では約10人の鉄道ファンが集まり、作業を見守りながらカメラのシャッターを切っていた。

 285系の開発に着手したのは2006年で、さらなる高速走行を可能にするため、車体を従来より深く傾けられる装置を装着。燃費性能の向上に向け、ディーゼルエンジンとモーターを組み合わせた駆動方式を採用するなど世界初の技術で、カーブでも直線と同様に最高時速140キロで走行できることを狙った。

 ただ、JRは11年の石勝線の特急列車脱線炎上事故などを受け、速度よりも安全対策を優先させる方針に転換、14年に開発を中止した。検査車両としての活用も検討したが、高額の改造費が壁となり断念。開発費約25億円が投じられた次世代新型車両は、営業運転することなく解体の末路をたどった。