道内の鉄道路線の見直しを巡って、高橋はるみ知事、JRの島田修社長、北海道市長会と町村会の両会長が会談。JRと沿線自治体の早期協議入りを目指すことで一致した。

 JR単独で維持が困難とする10路線13区間の問題は、膠着(こうちゃく)すればするほど解決の糸口がつかめなくなる。協議入りすること自体はあっていい。

 しかし、自治体の多くは協議に入れば「廃線ありき」で議論が進むのではないかと危惧している。

 協議に入るには、こうした懸念の払拭(ふっしょく)が欠かせない。

 そこでJRに注文したい。

 廃線か、存続させるための多額の地元負担か―。従来のようにそんな「二者択一」を求めるなら、建設的な議論はできない。多様な選択肢を示すべきだ。

 傾聴すべきアイデアがある。

 日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏は、北海道新聞への寄稿で、北海道に巨費を投じている道路予算の一部を、鉄道の路盤の費用に充てる考えを示した。

 JRは維持困難路線への対応策の一つとして、駅や線路などを自治体が所有・管理する上下分離方式を提案しているが、財政の厳しい自治体には困難だ。

 藻谷氏が言うように、道路予算の一部を駅や線路に振り向ければ、活路が開けるのではないか。

 国土交通省は今のところ、民営化したJRには基本的に国費を投入しない姿勢を貫いている。

 しかし、道路も、鉄道も、道民の生活の足である。それを守るためには、柔軟な発想があってしかるべきだろう。

 沿線自治体では、より広い管内規模の組織で鉄路の問題を検討する動きが出始めた。地域政策としてとらえる姿勢は重要だ。解決策に結びつくことを期待したい。

 人口減が進む道内で鉄道事業を持続可能にするには、赤字路線への対応だけでなく、JRの経営構造の改革が必要だ。

 麻生太郎財務相は、これまでのJR北海道に対する安全投資など国の支援を「弥縫(びほう)策」と指摘し、JR北海道とJR東日本の合併も「一つのアイデアだ」と述べた。

 自民党の一部からも、JRを持ち株会社制にし、黒字会社の余力を道内などに回す案が出ている。

 実現性はともかく、こうした発言は核心をついている。

 高橋知事は、国に抜本的な支援を要請するという。ならば一歩踏み込んで、鉄道事業のあり方を大きな視点で提起してほしい。