札幌市が2010年度に市議会に交付した政務調査費(政調費)に、違法支出があるかが争われた裁判の判決が札幌地裁であった。

 判決は、政党支部への支出、事務所費、人件費のそれぞれ一部を違法と認定し、札幌市長に対し、3会派に計約3160万円の返還を求めるよう命じた。

 市議側からは大変厳しいとの声も出ているが、筋違いだ。原資が公金であることの自覚を、もっと強く持つ必要がある。

 政調費は現在、政務活動費(政活費)となり、使途が広がった。だが、政策の立案や研究を目的とすることに変わりはない。

 札幌市議会に限らず、政活費を受け取っている全ての地方議員に厳格さが求められる。

 判決は、事務所費や人件費名目の支出で自民党、民主党・市民連合(現・民進党市民連合)、共産党の3会派が支出した計約2100万円を返還させるよう命じた。

 驚くべきは理由だ。賃貸借契約書や雇用契約書を訴訟の証拠として提出せず、実態を証明できなかった支出も含まれていた。認められないのは当然である。

 民主党・市民連合が民主党札幌支部(当時)に支払った調査委託費についても、選挙公約の作成などは政務調査活動に当たらないとして支出額の半分を違法とした。

 党勢拡大に向けた活動とは一線を画すべきだとの指摘である。重く受け止めなくてはならない。

 札幌市議会では現在、前払いで各会派に市議1人当たり月40万円の政活費が交付される。

 決して少なくない額だ。各議員には、政活費の支出に当たり、それぞれの資質を高め、地域の課題に向き合うという基本認識を持つことが欠かせない。

 だが、札幌市議会では15年度の支出にも、政務活動との関連が判然としない書籍や、宅配飲料水などの購入が見られた。

 交付額を使い切ろうとせぬよう後払いにした自治体もある。ぜひ導入を検討してもらいたい。

 市民のチェックを積極的に受ける姿勢も大切になる。

 札幌市議会は、政活費の全ての領収書の写しを市役所で公開している。全データを記録したCD―ROMを1枚50円で提供もする。

 これをさらに一歩進め、透明性を高めるためインターネットでの公開を考えてはどうか。

 富山市議会などで相次いだ政活費を巡る不正の数々は記憶に新しい。有権者の視線が厳しいことを忘れてはいけない。