北洋銀行と北海道銀行の道内2行を含む全国上場地銀の昨年度決算は、純利益の総額が前の年度に比べ1割も減った。

 超低金利で本来業務である融資のもうけは薄くなり、投資信託など金融商品の販売も不振だ。大手行に優良取引先を奪われる例もある。信金などとの競争も激しい。

 このままだと数年後には赤字行が続出する恐れがある。統合も道外で進むが、抜本的な改善につながるかは見通せない。

 地銀は地域経済を支える存在だ。じり貧のままでは地域の混乱を招きかねない。

 有望な融資先を開拓する。企業や地域の課題を見つけ、解決を資金面で支援する―。地道な努力を続けつつコスト削減に励み、稼ぐ力を取り戻さねばならない。

 気になるのは、長期的な視点よりも目先の利益を優先させる姿勢が強まっていることだ。

 例えば、融資で稼げない地銀は高利回りを期待して外国債券を買っている。昨年度決算ではこれが裏目に出て、米国債の値下がりで巨額損失を被る地銀が続出した。

 高金利で貸せるカードローンやアパートローンといった個人向け融資に注力する地銀も多い。

 前者は多重債務の温床になりかねず、後者はバブルを招きかねない。顧客本位の業務と思えない。

 地域には人口減がもたらす課題が山積する。解決策を共に考え活性化を目指すのが地銀の役目だ。

 道内では、空き家の解体費用を地銀や信金が低利で貸すローン商品が広がっている。こうした「課題解決型融資」を増やしたい。

 規制緩和で今後、スーパーなど銀行以外の事業所に、銀行が窓口を設置しやすくなる見込みだ。

 道内の場合、店舗の多い郵便局に窓口を設けるのも一案だろう。地銀店舗に郵便局の現金自動預払機(ATM)を置く手もある。

 両者は競合関係にあるが、いずれも道民の利便性向上につながるのではないか。

 超低金利時代は長引く可能性もある。融資を大きく増やしてもさほど利益は伸びない。経費削減が必要な理由はここにある。

 地銀にはカードや不動産など銀行と関係の深い業務を担う子会社が多くある。本体と業務の重複を解消すれば効率化できよう。

 金融業界では、大手行が地銀の分野に攻め込み、地銀が信金の領域を侵食する形で競争が過熱している。金融庁は、業態ごとに融資のすみ分けが一定程度できる政策誘導も検討すべきだろう。