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2016年05月24日 火曜日(先負)

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こまどりの憂鬱

釧路出身の演歌歌手、こまどり姉妹が半世紀前、ファンに襲われた事件を覚えている方はおられるだろうか▼当時28歳で、今で言うアイドル。鳥取県内で公演中、妹の敏子さんがステージで少年の振り回す包丁で脇腹を刺された。一命を取り留めたが、体調を崩して長時間にわたる舞台には立てなくなった▼事件の1カ月前から前兆があった。「結婚できないなら心中する」といった手紙が毎日届き、しかも血判が押してある。本紙によれば、少年が持参した「遺書」には「1通の返事すら出せないわけはない。私が許さん」と記していた▼アイドルの襲撃事件が後を絶たない。今度はシンガー・ソングライターをしている女子大学生が東京都内で男に刺され、重体になっている。男は「贈り物を返されて、腹が立った」と供述しているが、独り善がりな犯行に同情の余地はない。憧れを失って後悔するのは結局、自分自身なのに▼こまどり姉妹が襲われた当時と違うのは、アイドルとの距離感だろう。今や、サイン会で握手ができる。ネット上で交流が可能な場合もある。PR活動の一つだが、優しくされると図に乗って恋人気分になるのか▼一部の心ないファンが出したサインから意図を見抜くのは難しい。それだけ捜査関係者や芸能事務所は重い責任を負う。どこまで本気なのか。丁寧にすくい取らないと悲劇が起こりかねないのが現代である。2016・5・24

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