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2017年01月21日 曜日(大安)

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そばで一緒に

東京の葛飾・柴又に、改装されたばかりの山田洋次ミュージアムを訪ねた。映画「男はつらいよ」や「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」など、監督した作品の資料が並ぶ。小さいが優しい空間だった▼印象に残った展示の一つは、阪神・淡路と東日本、2度の震災に向き合おうとした一角だ。そういえば「男はつらいよ」の最終作は阪神大震災が起きた1995年の公開だった。神戸でロケもしている▼被災地で喜劇映画を撮っていいものか。山田監督には迷いがあったそうだ。だが地元の人々が背中を押してくれた。「私たちがいま求めているのは、そばにいて一緒に泣いてくれる、そして時々面白いことを言って笑わせてくれる、寅さんのような人なのです」▼山田監督は「あんな男でも、そばにいることが何かの慰めになるならば」と考え直す。シナリオにも筆を加えた。だから最終作では、主人公の寅さんがボランティアで大活躍し、いい格好をしてみせる▼阪神の震災から22年。そのころ人間関係は「希薄」と表現された。今はさらに薄らぎ「分断」とまで言われる。そばで一緒に泣き笑いする存在はますます貴重だ。誰かにとっての「寅さんのような人」であるにはどうしたらいいだろう。思いやる、耳を傾ける。何かに気づく、心を開き寄り添ってみる…▼新聞の役割も似ているかもしれない。今日の仕事はどうだったか、わが胸に手を当てる。2017・1・21

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