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2017年05月27日 曜日(赤口)

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』についてのメモ

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もったいない

納戸代わりの部屋を2日ほど放っておいたら、クモの巣が張っていた。昔、授業で読んだ心理学の教科書にクモは「束縛する母親のイメージ」と書かれ、執念深い性格の象徴だった▼母親を例えにするのはどうかと思うが、実際は巣を作って獲物がかからないと、すぐに引っ越す。むしろ決断力に富み、見極めが早いらしい。心理学者・内藤誼人(よしひと)さんの著書「“かしこい生き方”はムシたちに学べ」で知った▼人間はどうか。「サンクコスト効果」という言葉がある。例えば忙しいさなかの映画鑑賞。面白くないと、途中で席を立って残りの時間を有効に使うか、それとも見続けるか悩むだろう。大方は見続ける方を選ぶ。お金がもったいないと思い、かえって損をしてしまうような行動を指すそうだ▼真っ先に浮かぶのは、まともに運転できないのに引き際をなかなか決められなかった高速増殖原型炉もんじゅである。先日、公表された東京五輪の経費分担もいやな予感がする。地方の意見を聞かずに算出したのは心外だが、費用がこれで収まるのか疑わしい▼渡りかけた橋だから、引き返せない―。過去を見ても本番が近づくにつれて費用は増えている。立ち止まるのは関係者が多いほど難しいが、見直す勇気がないと国民の懐に跳ね返る▼インディアンはクモを知恵者の象徴と呼ぶ。緻密に巣を作るからという。その緻密さをわれわれも欲しい。2017・5・26

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