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2017年02月22日 水曜日(友引)

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群来再び

「涙の~ォ」と、眉間にしわを寄せて声を張り上げる。「どうせおいらはヤン衆かもめ」。切ない歌詞が続く。北島三郎さんの名を広めた「なみだ船」である▼ニシンの群れが産卵のために押し寄せる群来(くき)の季節。ヤン衆は恋をするが、いずれ帰らねばならない。出稼ぎゆえの悲しみを歌った。作曲したのは先日亡くなった栃木出身の船村徹さんだ▼「品がない」。若い頃、作品の評判はさんざんだった。「栃木なまりで曲を作る」と意に介さなかった。後に「演歌巡礼」と銘打ち、ギターを抱えて地方の小さな酒場も訪れた。にぎやかさの裏にある陰を大事にしたいと語っていた。群来にも人間模様の裏側を見たのだろうか▼その群来がおととい小樽沿岸に現れたという。昨年より19日も遅かった。乳白色に染まる海面を見て胸をなで下ろした方も多いだろう。スーパーではひときわ銀りん鮮やかなニシンが並び始めた。春告魚の別名通り、食卓は春の彩りに包まれてきた▼「鰊(にしん)場物語」(内田五郎著)によれば、群来はニシンが接岸すると「ぐんらい」と読み、産卵を始めたときに「くき」と呼ぶ。折しも、外国の人たちが冬季アジア札幌大会に群来(ぐんらい)している。試合の熱気は、長い冬のとばりを溶かす勢いだ▼北海道の魅力を母国に伝え、群来(くき)のように毎年訪れていただければありがたい。選手や観客の笑顔が、再会を誓う証しであってくれれば。2017・2・22

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