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2017年03月25日 曜日

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後悔

後悔先に立たず。わが胸に去来するあれやこれやを思えば、「しまった」と古傷がうずきもして、よくできたことわざだと得心する。とはいえそれは、個人的な身の回りの物事にすぎない▼権力を持つ人だとそれでは済まない。先々代の米大統領ブッシュ氏は、かつて「任期中最大の後悔」と振り返ったことがある。情報の誤りについてだ。何しろそれで戦争を始めてしまったのだから▼イラクのフセイン政権(当時)が核など大量破壊兵器を持っているという情報だ。ブッシュ氏は信じ込んでいた。2003年3月19日(米国時間)、開戦を告げてミサイルを撃ち込んだ。今日で14年になる。政権を倒してみて、そんな兵器は持っていないとわかった▼戦闘に巻き込まれるなどで、17万人とも言われるイラクの民間人が死亡した。肉親が不条理な死を遂げれば、恨みも憎しみも募る。それはテロの温床となった。宗教対立やシリア内戦もからんで、過激派組織「イスラム国」が力を得てゆく▼14年を経た今は、過激派掃討の戦いに巻き込まれて人々が命を落とす。「憎しみの連鎖はテロを広げるだけだ」とは、開戦当初から言われていたことだ。その予見通りに進んでいる▼誤りを嘆いた元大統領と、イスラム教徒を排除し「テロ対策」と胸を張る現大統領。故郷を戦場にされた人々は今日も逃げ惑う。後悔先に立たず。戦争など、なぜ始めたのだ。2017・3・19

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