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2017年03月30日 木曜日(大安)

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』についてのメモ

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振り向く

名編集者として鳴らした松田哲夫さんには「仕事の奥義」がある。若いころ、文筆家種村季弘さんから受けた助言だ。長いが、紹介したい▼「いまの時代、いまの社会では、一つのものが話題になると、みんなそっちに殺到する。その時に、みんなが振り向かなくなった過疎の田圃(たんぼ)にいって掘ってみると、楽々と宝を手に入れることができる」▼編集という仕事では新しいものに飛びつくばかりでなく、忘れ去られたことに光を当てることも大切だ。そんな意味だろう。松田さんが著書「編集狂時代」で明かしている▼種村さんの言葉はあらゆることに通じる。はやりすたりが激しい現代。日々、追い立てられているような気分にもなる。そんな時、前だけ見ずに「何か忘れてないか」と後ろを振り向くことがあっていい▼その発想はマチづくりのヒントにもなる。大分県豊後高田市中心部の商店街は「昭和の町」として復活した。かつてにぎわった通りは過疎化でさびれた。建て替えは進まず、街並みは古いまま。それを15年以上も前、逆手にとった▼9店が昭和30年代をイメージした外観に戻したのをきっかけに、今では約40店が「昭和」を形成。昔懐かしいボンネットバスも走って、観光客を呼び込む。テレビ番組で知った。大都市に人が集中する中、誰も振り向かなくなった田圃で掘り当てた宝である。過疎に悩む道内でも参考にならないか。2017・3・20

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