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2017年04月27日 木曜日(大安)

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深海のごみ

縄文時代の代表的な遺跡である貝塚は、一般的にはごみ捨て場だったと考えられているが、別の見方もある。道の縄文世界遺産推進室特別研究員・阿部千春さんによると、縄文人には「人は自然に生かされている」という考え方があり、貝塚は魂の「送りの場」だったという。以前、館長を務めていた函館市縄文文化交流センターで、そう伺った▼こちらにはそんな崇高さはどこにも感じられない。深海に沈むごみの数々である。海洋研究開発機構がインターネットで画像を公開した▼手元のパソコンで、その「深海デブリデータベース」を開いてみた。潜水調査船「しんかい6500」などで撮影した動画や画像から、ごみの写っているものを分類・整理したという▼本紙などに掲載された水深6271メートルのマネキン頭部をはじめ、水深1万898メートルのポリ袋、6360メートルのスニーカー(右足)、5765メートルのゴム手袋(左手)、3978メートルのタイヤ、3722メートルのサンダル…。「なぜこんな海の底まで」と考え込まずにはいられなかった▼災害などで海に流され、海底にたどり着いたごみもあるだろう。しかし、「どうせ人の目に触れなくなるのだから」と安易に投棄されたとすれば、罪は水深よりも深いのではないか▼光の届かない暗い海を、ポリ袋や空き缶がゆらり、ゆらりと沈んでいく。想像すると、ホラー映画のような恐ろしさを覚える。2017・4・17

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