17日の衆院決算行政監視委員会は、「共謀罪」の構成要件を変更して「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の対象犯罪を巡って論戦となった。政府は組織的犯罪集団が実行すると想定する対象犯罪を277に絞り込んだと強調するが、野党はキノコの違法採取などテロ行為と無関係に見える犯罪まで含まれていると指摘。277の対象犯罪数についても根拠が不明確であることが浮き彫りとなり、範囲の曖昧さは残ったままだ。

 民進党の山尾志桜里氏は森林法で禁じられている保安林でのキノコなどの採取がなぜテロ等準備罪の対象犯罪に含まれるかについて政府の見解をただした。

 金田勝年法相は採取したキノコなどがテロ組織の資金源になり得るとの認識を示し「組織の維持、運営に必要な資金を得るために計画することは現実的に想定される」として理解を求めた。山尾氏は「これはテロ対策なのか。国民の常識とあまりにかけ離れた答弁だ」と疑問を呈した。

 政府は改正案の原案で、国際組織犯罪防止条約を締結するために4年以上の懲役・禁錮刑が定められる676全ての犯罪を対象とする必要があるとしていたが「範囲が広すぎる」との批判を受け277まで絞り込んだ。組織的犯罪集団の関与が考えにくい犯罪などは除外したと説明していた。

 だが277の対象犯罪には保安林でのキノコ採取のほか、著作権侵害や重要文化財の損壊などテロとの関連が不明確な犯罪も含まれる。政府は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けテロ対策として法整備が必要だと強調するが、野党からは「直接生命に関わらない犯罪まで含めるのは理屈に合わない」との批判が出ている。