2日で就任2年となった札幌市の秋元克広市長が、2015年4月の市長選公約で検討するとした市営地下鉄東豊線の延伸に慎重な姿勢を見せている。需要動向や採算面での厳しい見通しからだ。市中心部と高速道路を結ぶ「都心アクセス道路」をはじめ、経済波及効果や国の後押しが見込める事業を着々と進めるのとは対照的だ。公共交通網の拡充を巡り構想に濃淡をつけ始めた。

 「将来の需要をはっきりと推計できる状況にない」。秋元市長は4月26日の記者会見で地下鉄延伸について踏み込む発言をしなかった。

 地下鉄延伸論が高まったのは2年前の市長選。秋元市長の対立候補が地下鉄の複数方面への延伸に意欲を示したのがきっかけだ。

 市の試算で「国の認可の前提となる開業30年での黒字化は困難」とされた東豊線福住駅(豊平区)から清田区方面への延伸について、当時候補者だった秋元市長も需要を再検証する考えを示した。26年冬季五輪・パラリンピック招致に伴う札幌ドーム(同)周辺の活性化が念頭にあった。

 ただ、市長就任後に事態は変わる。札幌ドームを巡って昨年5月、プロ野球北海道日本ハムが新球場建設を核としたボールパーク構想を打ち出し、本拠地をドームから移す姿勢を示した。構想の行方によっては東豊線の需要動向や、ドーム周辺の五輪関連施設の計画が変わることになる。