北大低温科学研究所と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、魚が流氷直下の海で凍死するのを防ぐために持っているタンパク質の働きを解明したと発表した。寒い海に生息する魚の体内には特殊な「不凍糖タンパク質」があることが知られていたが、詳しい作用は分かっておらず、国際宇宙ステーション(ISS)での実験で判明した。

 寒冷地の魚は血液中で氷の結晶ができても、不凍糖タンパク質に覆われて氷の成長が抑えられるため、凍死しないとされてきた。メカニズム解明には氷の結晶の成長を細かく観察する必要があったが、地上では重力の影響で結晶の形が崩れてしまう。そこで無重力状態を長時間保てるISSで2013年11月から14年6月にかけて実験を行った。

 液体が凍るのは、冷却状態の中で氷の結晶が生まれ、それがどんどん成長するからだ。通常、結晶は平面的な形をしており、水平方向にのみ大きくなる。ところが実験で、不凍糖タンパク質を混ぜた水の中で作った氷の結晶は、上下方向に成長して立体化した後、成長がほぼ止まった。

 これにより不凍糖タンパク質には結晶の平面・水平的な成長を抑えつつ、上下方向の成長を促す性質があることが分かった。結晶は最終的に上下の両端がとがった状態で成長が止まるため、凍らないという。

 実験機器は2013年8月に無人補給機「こうのとり」に載せて打ち上げ、ISSに滞在した宇宙飛行士若田光一さんが日本実験棟きぼう内にセット。地球上からコンピューターを使って機器を遠隔操作した。