砂川市の国道で2015年6月に一家5人が死傷した事故の控訴審判決で、札幌高裁は14日、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた空知管内上砂川町、無職谷越隆司(たにこしりゅうじ)(28)、住所不定、無職古味(こみ)竜一(28)両被告に懲役23年を言い渡した一審札幌地裁の裁判員裁判判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。争点だった危険運転の共謀について、高橋徹裁判長は判決理由で「ことさらに赤信号を無視する意思を暗黙に相通じていた」として、成立を認めた。

 高橋裁判長は、現場交差点の500メートル手前から「信号表示を容易に認識できた」と指摘。事故の約32秒前から赤信号だったことなどの客観的状況から「信号規制の失念や見落としは想定し難い」とし、赤信号をあえて無視する危険運転致死傷罪の成立を認めた。

 その上で、両被告の車が現場まで前後を入れ替わりながら走行していた点などから、競走する意思が認められるとして、共謀の成立を認定した一審判決に「事実誤認や法令適用の誤りはない」と結論付けた。

 一審で両被告は「赤信号を見落とした」と説明し、「競走はしていない」と共謀も否定。谷越被告は前方不注意による過失運転致死傷罪にとどまると主張した。古味被告は、谷越被告の車と被害車両の衝突で路上に放り出された長男=当時(16)=に対する道交法違反(ひき逃げ)について「人をひいた認識はなかった」として無罪を訴えた。しかし、高橋裁判長は弁護側の主張を全面的に退けた。